ここから本文です

サイト内検索

サイト内検索

関節リウマチ
による痛み監修:
行岡病院骨関節センター長 越智 隆弘 先生
監修:
行岡病院骨関節センター長 越智 隆弘 先生

関節リウマチによる痛み

関節リウマチとは

関節リウマチとは、関節に炎症が続いて徐々に破壊されていき、やがては変形したり固まったりしてうまく動かなくなってしまう病気のことを指します。
関節リウマチの国内における患者数は70万人以上ともいわれ、決して珍しい病気ではありません。また、女性に多く(男性の3~4倍)、その発症ピークは30~40歳代で、幅広い年齢層の患者さんがいます。60歳代以上の高齢者が発症する「高齢発症関節リウマチ」の場合は、男女の発症率に差はありません。また、15歳未満で発症する場合もあり、これは「若年性突発性関節炎」と呼ばれています。

原因

関節リウマチの関節病変イメージ

関節リウマチは、免疫の異常が関係する病気(自己免疫疾患)で、関節に炎症が起こり(滑膜炎)、腫れや痛みが生じます。
関節で炎症が続くと、関節の中にある「滑膜(かつまく)」に血管や細胞が増え、滑膜が厚く腫れます。腫れあがった滑膜はやがて軟骨部分や靱帯(じんたい)を破壊し、進行すれば軟骨以外の骨まで壊してしまいます。

症状

関節リウマチの主な症状は「関節の腫れや痛み」で、左右対称に出ることが多いとされています。また、朝起きたときの手足のこわばり・動かしづらさは関節リウマチに特徴的な症状です。だるくなったり疲れやすくなったり、関節以外に症状が出ることもあります。
近年、関節リウマチは発症から2年以内に急速に症状が進むことがわかってきました。できるだけ早く発見してすぐに治療を始めることが、重症化を抑えて運動機能を保つ上で非常に重要です。

関節リウマチの主な症状

関節リウマチになると、日常生活はどのようになるのでしょうか。
主なものには、

  • 重いものを運ぶ
  • 長時間歩く
  • 階段の上り下り

などの動作がつらく感じられることがあげられます。
発症早期には、

  • 朝、手足がこわばっている
  • 手に力が入りにくく、ふきんや雑巾を絞りにくい
  • 畳や床を歩くときに足裏が痛い

などの症状で、つらく感じられることもあります。
また、梅雨の時期や冷房の強い部屋などでは調子が悪くなることもあります。
その他にも、症状には個人差がありますので、それぞれの症状やつらさについて周囲の方々に話して、理解してもらいましょう。

治療法

昔は、「関節リウマチにかかると寝たきりになる」と思われていました。しかし、今では医学が発達して、発症早期から適切な治療を行えば、病気の進行を抑えて関節の機能を保ち、今までどおりの生活を続けられる可能性があります。

まず、診察を受けましょう

関節リウマチは早期に治療を開始することが大変重要です。
関節リウマチと診断された後、できるだけ速やかに適切な治療を行うことで、関節破壊の進行を防ぎ、状態のよさを保つことができると考えられています。また、関節リウマチの治療では、症状や治療効果、副作用の現れ方などの個人差が大きく、医師と相談しながら治療を進めていく必要があります。そのため、気になることや疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
リウマチ専門医の診察は、「リウマチ科」「膠原病科」「整形外科」などで受けることができます。

薬物療法

関節の炎症を抑えるためには、主に下記のようなお薬で治療を行います。

疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)

DMARDは、関節リウマチの炎症の原因である免疫の異常を調整するお薬です。

生物学的製剤

生物学的製剤は、炎症に関係する物質に働きかけ、炎症や関節破壊を抑えるお薬です。

JAK(ジャック)阻害剤

JAK阻害剤は、細胞の内側にあるJAKという酵素の働きを抑えることで、炎症や関節破壊を抑えるお薬です。生物学的製剤と同じように炎症の原因となる物質の働きを抑えます。

また、下記のような痛みや腫れを抑えるお薬を一緒に使用する場合もあります。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)

NSAIDsは、炎症や痛みを抑えることができ、速効性のあるお薬です。関節破壊を抑えるお薬を服用しても腫れや痛みが残ってしまう場合にはNSAIDsを併せて用います。

副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)

ステロイドは少量で強力に炎症や痛みを抑えることができるお薬です。強い炎症が起こったときに用います。

お薬の種類と投与目的
妊娠を希望される場合と子育てに関する注意点

手術療法

手術療法は、適切な薬物療法などを行っても痛みや腫れが改善しない場合や、関節破壊のために歩行が困難になるなど日常生活に支障が出る場合などに行います。
上肢(肩、肘、手、指)の手術は、自分で身の回りのことができるようになることが目標となります。下肢(股関節、膝関節、足関節など)の手術は、歩けるようになることが目標です。手術の前には、医師から十分な説明を受けましょう。

滑膜切除術

滑膜切除術イメージ

関節リウマチでは、関節の中の滑膜に炎症が起き、腫れたり痛みを伴ったりします。この腫れた滑膜を切除することで、関節の炎症・痛みを抑えます。術後は腫れや痛みが改善するので、薬の量を減らすことができる場合もあります。

機能再建手術

関節が壊れて動かせなくなってしまった関節や痛みの強い関節に対して行います。「人工関節置換術」「切除関節形成術」「関節固定術」などがあります。

人工関節置換術

人工関節置換術イメージ

関節を人工の関節に入れ替える手術です。病気が進行し、関節が壊れて激痛や機能障害に悩まされる場合に行われます。人工股関節は15年以上、人工膝関節は20年以上安定した状態を保つことができ、最近では肩、肘、手首などにも人工関節置換術が行われています。

切除関節形成術

人工関節置換術ができない場合に行われます。

関節固定術

手指や肘の関節が不安定な場合や、関節の痛みや歩行困難があっても人工関節置換術ができない場合に、関節を使いやすい角度に固定する手術です。

理学療法(リハビリテーション)

理学療法は、関節の運動性を改善させ、日常に近い社会生活が送れるようにするために行います。主な理学療法には、運動療法、温熱療法があげられます。
関節を動かさないでいると、関節が硬くこわばってしまいます。理学療法は、理学療法士や作業療法士などの専門家の手助けのもとに行い、筋力の向上と、関節の動く範囲を広げたり維持したりする効果があります。毎日繰り返し継続して行えば、関節の機能障害が抑えられ、痛みもやわらいでいきます。

通院が困難な患者さんや、症状が安定している患者さんの場合には、自宅での理学療法が勧められます。1人で行うのが困難な場合は保険制度が活用できます。また、介護保険を利用すれば、訪問介護、通所リハビリテーション(デイケア)、訪問理学療法、居宅療養管理指導などが受けられます。

運動療法

エクササイズには、末梢の血液の流れをよくし、痛みをやわらげ、筋肉のこわばりをとる効果があります。自分の調子がよいときに無理をしない程度に身体を動かすのがポイントです。また、適度な運動は精神的ストレスの解消や免疫力を高める働きもあります。歩いていて脚が弱ってきたと感じていれば大腿四頭筋の訓練を、手指の力が弱ってきたと感じたら、やわらかいボールや粘土を使って指先のエクササイズを続けてください。

温熱療法

痛む膝を温めるとき

腫れや痛みが強いときは、関節を温めることで痛みやこわばりをやわらげることができます。

予防・改善のために

基礎療法

総監修:
総合東京病院 ペイン緩和センター長 小川 節郎 先生