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神経の痛み解説サイト

監修: 関西医療大学 客員教授
なかつか整形外科リハビリクリニック 院長 中塚 映政 先生
それは神経の痛み、「神経障害性疼痛」かもしれません。

頚椎の変性により、椎間孔の狭窄が生じ、神経根が障害された状態の図 頚(くび)の部分で神経が障害されると頚(くび)だけではなく肩や腕などにも痛みが出ることがあります。

腰から足にかけての長引く痛みは、
腰の神経が傷ついている可能性があります。

腰のあたりにある脊柱管が狭くなって神経(神経根や馬尾と呼ばれる部分)が障害された状態の図 腰の部分で神経が障害されると腰だけではなくお尻や足などにも痛みが出ることがあります。

神経障害性疼痛による日常生活への影響

慢性の痛みは日常生活に支障を及ぼしますが、
神経障害性疼痛の疑いのある
慢性疼痛患者さんでは、
疑いの低い慢性疼痛患者さんと比べ、
痛みによる
日常の行為が有意に障害されている
可能性が報告されています。

痛みによって制約を感じる日常行為グラフ
方法:20~69歳の男女20,000名をスクリーニング対象とし、慢性疼痛の定義を満たした3,365名の慢性疼痛患者を対象に、
慢性疼痛と神経障害性疼痛の実態について、インターネットによる大規模調査を実施した。(実施年月:2010年2月、実施期間:2週間)
※小川節郎ほか ; 臨整外47:565,2012わが国における慢性疼痛および神経障害性疼痛に関する大規模実態調査[L20120604010] 頚椎症と坐骨神経痛の図
WEB記事 専門医に聞く、日常生活に潜む神経の痛み
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痛むのに原因が分からない…
不安から症状が悪化する悪循環も(※1)
医療法人 青洲会  なかつか整形外科リハビリクリニック  中塚映政 院長

医療法人 青洲会
なかつか整形外科リハビリクリニック
中塚映政 院長

 長期間痛みが続く。このような症状は「慢性疼痛」と呼ばれている。
人間にとって痛みとは体への危険を知らせる大切なシグナルであり、生きていく上で欠かすことのできない非常に重要な感覚と言える。しかし、その痛みも慢性的に続けば、日常生活に支障をきたしたり、仕事へのパフォーマンスを著しく低下させる(※2) ことにもなる。

「3カ月以上続く場合に慢性疼痛と言い、腰と肩、次いで膝や首、背中などの痛みを訴える患者さんが多く来院しています」と話すのは、慢性疼痛に詳しいなかつか整形外科リハビリクリニックの中塚映政院長だ。
慢性疼痛の保有率の図
方法:20歳以上の男女を対象に、慢性疼痛※の保有率の把握と、慢性疼痛の治療実態(1次調査)、患者ニーズの把握(2次審査)を目的として、全国調査(インターネットリサーチ)を実施した(調査期間:2016年6月28日~7月12日、回答数:1次調査 n=41,597、2次調査 n=5,998)。
※慢性疼痛の定義は、病気や健康上の理由により、(1)最初に痛みを感じてから現在までのおおよその期間が3ヵ月以上、(2)慢性的な痛みを一番最近感じた時期が1ヵ月以内、(3)慢性的な痛みの頻度が週2回以上、(4)慢性的な痛みの度合い(疼痛の強度)が5〜10ポイント(modified NRS)とした。
矢吹 省司 ほか:臨整外 47(2):127,2012[L20150226002]より作図
 ちなみに、疼痛とは痛みを意味する医学用語である。疼痛は大きく、2種類に分けることができる。一つは「侵害受容性疼痛」で、体の外部あるいは内部からの刺激が電気信号となって神経を伝わり、脊髄や脳に伝達されることで生じる、いわゆる一般的な"体に危険を伝える痛み"だ。

 例えば、怪我や火傷など体の組織に害を及ぼすほどの強い刺激が加わると、その部分に炎症が起こるなど、痛みの刺激を起こす物質が発生する。この物質が末梢神経にある侵害受容器を刺激して痛みを起こすことから、「侵害受容性疼痛」と呼ばれている。原因となるのは、骨折や変形性膝関節症などレントゲン検査により異常が認められる器質的疾患が主で、他にも火傷や切り傷、虫歯による炎症なども含まれる。

「一方、何らかの原因で痛みを司る神経がダメージを受けて正常に機能しなくなり、その神経が支配する領域に異常が生じることで痛みの症状が表れるのが『神経障害性疼痛』です。侵害受容性疼痛のようにレントゲン検査等で明らかな組織の異常を認めることはまれで、原因が分からないまま市販薬やマッサージなどに頼っている患者さんも少なくありません」(中塚院長)

 神経の異常による神経障害性疼痛は、原因不明の痛みが続くことでそのことにばかり気を取られるようになり、不安からさらに症状が悪化するという悪循環にも陥りかねない。長引く痛みに悩まされているなら、まずは自分の痛みについて知るところから始めてみよう。

(※1) 住谷 昌彦 ほか: ペインクリニック 35(9): 1191, 2014 [L20160208861]
(※2)Stewart, W.F. et al.: JAMA 290(18): 2443, 2003 [L20120608009]
神経がダメージを受けると
広範囲に痛みが生じる
 神経障害性疼痛は、体のさまざまな部位に、比較的広範囲で表れるのが特徴だ。例えば、腰から足にかけての痛み(しびれるような痛みの時もある)である。神経の通り道である腰椎に変形が生じて腰部脊柱管狭窄症が起こると、脊椎の中の馬尾などの神経が障害されることがある。すると、狭窄が起きた腰の部分だけでなく、障害された神経が関わるお尻や足などにも痛みが広がって表れるのだ。

痛みの範囲のイメージなかつか整形外科リハビリクリニック 中塚映政院長監修

「他にも、単なる肩こりだと思っていたら腕にまで痛みが広がってきたという場合にも、神経障害性疼痛が疑われます。首の頸椎が変形し神経根と呼ばれる神経の一部がダメージを受けると、首だけでなく肩や腕、手の指先にも痛みが生じることがあります。さらに、神経障害性疼痛では、痺れや冷感などで表現される痛みの症状を伴う場合が少なくありません。腰痛を放置していたら足が痺れるように痛みを感じる、肩の痛みが腕にまで広がり夏でも首から手の先にかけてひんやりしている、などの自覚症状があれば、早めに専門医を受診してください。

 たかが痛みと放置していると日常の動作にもさまざまな制約が表れるようになります。当院に来られる患者さんの年齢層は幅広いのですが、40代~50代の患者さんもいらっしゃいます」(中塚院長)

 痛みは体からのSOS。我慢は禁物なのだ。
問診の際には自身の痛みについて
正確に伝えることが適切な治療につながる
 日本において慢性疼痛による経済的損失は、1兆9,530億円と試算される(※3)。こんな慢性の痛みの中でも神経障害性疼痛の疑いのある患者さんは、そうでない慢性疼痛の患者さんと比べて日常生活により支障を及ぼしている事が報告されている。「先日来院された30代の神経障害性疼痛の患者さんは、市販薬などで自己流の対処はしていたものの、専門医にかかることなく長い間痛みを我慢してきた結果、当院の待合室ではソファに座ることもできず、横になっていないと耐えられないほどの痛みを訴えていました。痛みによって仕事を辞めざるを得ない患者さんもいるのです」(中塚院長)

痛みによって制約を感じる日常の行為(複数回答)

方法:20~69歳の男女2万人をスクリーニング対象とし、慢性疼痛の定義をみたした3365名の慢性疼痛患者を対象に、慢性疼痛と神経障害性疼痛の実態について、インターネットによる大規模調査を実施した(実施年月:2010年2月、実施期間:2週間)。
小川節郎ほか:臨整外47(6):565,2012[L20120604010]より改変(利益相反:本調査は、ファイザー株式会社及びエーザイ株式会社の支援を受けた)
 中塚院長は、痛みは我慢する必要などなく、神経障害性疼痛の概念も医療者の中では広く認知されている時代になっていることを知ってほしいと話す。一人で痛みを抱え込まず、整形外科やペインクリニック、またはかかりつけ医などを受診し相談してみよう。

 診療の流れの一例として、まず問診によって痛みの症状を確認しながら、姿勢のチェックや関節の可動性、痛みの誘発テストなどにより診察し、必要に応じてMRI検査などを行い治療を始めていく方法があるという。


「問診の際には、痛みの程度や範囲について正確に伝えていただくことも大切です。実際には首から手の指先にまで痛みが広がっていても、"肩のあたりが痛む"という表現に留まる患者さんも少なくありません。これでは正確に痛みの部位を聞き取る事が難しい。できれば、実際に自分の体に触れながら、"ここからここまでに痛みを感じる"と伝えてもらえるといいですね」(中塚院長)

 また、痛みの強さについても率直に教えて欲しいと中塚院長。特に男性の場合、大げさと思われないか心配するのか、夜も眠れない程の痛みを感じていても"痛い"とだけ話すケースも珍しくはないそうだ。痛みだけでなく痺れや冷感も含めて、症状はすべて正しく伝えることが、適切な診断と治療につながると心得よう。

 最初に痛みを感じたのはいつか、普段の生活ではいつ、どんなときに痛みが強くなるかなどの詳しい情報も、受診の前にまとめておくといいだろう。

「神経障害性疼痛の痛みは、基本的には"常に痛みやしびれを感じる"という特徴があります。ただし、寝ている姿勢の時に背骨が反ることで神経の圧迫が強くなるため、朝方が一番つらいなど、一日の中で症状の強弱が表れるケースはあります。いずれにせよ、自身の体の痛みを正確に把握して、医師に伝えていただきたいと思います」
(※3) Inoue, S. et al.: PLoS One 10(6): e0129262, 2015 [L20171122015]
(なかつか整形外科リハビリクリニックにて、2018年6月1日インタビュー)

●20180903掲載_ダイヤモンドオンライン記事広告
日常に潜む神経障害性疼痛の可能性
柳葉敏郎さんが2分で解説!

痛みは、大きくわけて2種類あります。



からだに危険を伝える痛み「侵害受容性疼痛」と神経の痛み「神経障害性疼痛」

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「でも、どんな流れで診察が進むのかな...」 診療は問診を中心に先生の方針によって進められます。こちらでは診療の流れの一例を紹介します。
問診
●痛みの発生時期 ●痛みの部位・強さ
●痛みの感じ方や頻度 etc
診察
●視診(姿勢 等) ●脊柱所見(可動性、圧痛 等)
●痛みの誘発テスト(頚や足などを動かし、痛み症状の変化を確認)
●神経学的所見(腱反射、筋力・感覚の確認 等)etc
検査
●画像検査(X線、CT、MRI等)
●必要に応じて血液、尿検査 etc
診断/治療
現在の症状やこれまでの経過、診察の所見、検査結果などをもとに、
総合的に痛みの原因を診断し、医師が治療方針を決定します。
川口 善治:"頚部痛・上肢のしびれの診察の進め方"整形外科臨床パサージュ 10 肩こり・頚部痛クリニカルプラクティス 中村 耕三総編集 1 中山書店 2, 2011を基に作成
高橋 啓介:"青壮年の腰・下肢痛から何を想定するか" 整形外科臨床パサージュ 1 腰痛クリニカルプラクティス 中村 耕三総編集 1 中山書店 12, 2010を基に作成
「問診で自分の痛みをうまく説明できるかな...」

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