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痛みの種類は人それぞれ まずは自分の痛みを正しく知ることから

痛みの基礎知識

普段私たちが感じる「痛み」には、切り傷や打撲による痛み、すぐに治る痛みや長く続く痛み、刺すような痛みやだるい痛みなど、さまざまな種類の「痛み」があります。また、痛みを感じる部分も、腰、首、頭、足など、いろいろです。
「痛み」はとても不快な感覚ですが、「痛み」とはそもそも何なのでしょうか。自分の「痛み」を知って、「痛み」とうまくつきあっていきましょう。

痛みとは

痛みの役割

私たちは「痛み」を感じることで、身体に何らかの異常や異変が生じていることに気づきます。もし、「痛い」という感覚がなかったら、危険を察知したり、回避することができず、ケガや病気を繰り返したり、命の危険につながることもあります。「痛み」は本来、私たちの身体や命を守る、生命活動に欠かせない役割を持ちます。
しかし、なかには「生命活動に必要ではない痛み」もあります。
必要以上に長く続く痛みや、原因がわからない痛みは、大きなストレスになり、不眠やうつ病など、ほかの病気を引き起こすきっかけにもなります。このような場合は「痛み」そのものが“病気”であり、治療が必要です。

痛みを感じる一般的なしくみ

切り傷や火傷、打撲などにより身体が刺激を受けると、「身体が傷ついた」という情報が発生します。その情報は電気信号に変換され、神経を伝って脳に届きます。脳がその情報を認識して初めて、「痛い」と感じるのです。
通常は、痛みの原因となったケガが治ると、痛みも消えていきます。

痛みの種類

ひとくちに「痛み」といっても、原因や状態によってさまざまです。
「痛み」は、その原因によって大きく3つに分けられます。
痛みの原因や状態により、適切なアプローチが異なるため、まずはご自身の「痛み」について知ることが重要です。

痛みの種類

侵害受容性疼痛とは

ケガや火傷をしたときの痛みです。ケガをするとその部分に炎症が起こり、痛みを起こす物質が発生します。この物質が末梢神経にある「侵害受容器」という部分を刺激することで痛みを感じるため、「侵害受容性疼痛」と呼ばれ、切り傷や火傷、打撲、骨折、関節リウマチや変形性関節症、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)などがあります。
このような痛みのほとんどは、急性の痛みですが、原因のケガや病気が長引くと、慢性の痛みとなるものもあります。

からだに危険を伝える痛みや炎症による痛み

代表的な侵害受容性疼痛

神経障害性疼痛とは

神経障害性疼痛とは 何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みを「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」といいます。
帯状疱疹が治った後の長引く痛みや、糖尿病の合併症に伴う痛み、坐骨神経痛、頚椎症に伴う神経障害疼痛などがあります。傷や炎症などが見えないにもかかわらず痛みがある場合には、神経が原因となっていることがあります。
40代以上に多く、日本では約600万人以上※の患者さんがいると推定されています。
※小川ほか:臨整外 47:565,2012

神経の痛み

侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の分類に当てはまらない痛みとは

従来、侵害受容性疼痛にも神経障害性疼痛にも当てはまらず、「心因性疼痛」と呼ばれることの多かったこの分類の痛みは、脳の認知の異常によって生じる痛みであり、その問題の本質は心(精神機能)ではなく、脳(身体についての認知機能)にあると考えられています。

現在の医学では、依然として検査で異常が発見できない場合がありますが、原因が無く痛みを感じているわけではなく、脳に何らかの変化が起きている可能性があります。
現時点では未だ原因が明らかにされていない線維筋痛症に伴う疼痛もこの分類に含むと考えられております。

代表的な侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の分類に当てはまらない痛み

混合性疼痛(mixed pain condition)

侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛など、複数の要素を併せ持った痛みは、「混合性疼痛」と呼ばれます。
いわゆる腰痛症(非特異的腰痛)などが代表的な疾患として考えられております。
それぞれの原因と症状に応じたアプローチが必要です。

代表的な混合性疼痛

痛みの慢性化

急に痛くなり、1か月以内でおさまる痛みは「急性の痛み」、3~6ヵ月以上と長く続く痛みは「慢性の痛み」といわれます。「急性の痛み」は、その原因となるケガや病気が治れば消えていくものですが、痛みが生じたときに適切な治療をせずに、そのまま放っておくと、「慢性の痛み」に変わってしまう場合もあります。
痛みは、交感神経の緊張と運動神経を興奮させ、血管の収縮や筋肉の緊張を起こします。その結果、血行が悪くなり、「痛みを起こす物質」の発生につながります。

通常、痛みが生じても、交感神経の反応はすぐにおさまり、血行が改善されて、痛みが鎮まります。しかし、痛みが長引くと、血行の悪い状態が続いて「痛みを起こす物質」が多く発生するようになります。この「痛みを起こす物質」は血管を収縮させるため、さらに血行を悪化させ、また「痛みを起こす物質」が発生する、という“痛みの悪循環”を引き起こしていきます。
また、痛みが慢性化すると、痛みを引き起こした原因がなくなっても、痛みを取り去ることがなかなかできなくなります。
さらに、痛みが続くことで痛みにばかり注意が向きがちになり、眠れなくなったり、不安や恐怖からうつ状態につながり、ますます痛みにとらわれて症状が重くなるという悪循環に陥ることもあります。

痛みの悪循環

痛みが長く続いたり、さまざまなストレスにさらされていると、本来、私たちが脳の中に持っている「痛みを抑える神経」の力が弱くなり、痛みを普通より強く感じたり、痛みが慢性化することがわかっています。

早めに相談

同じような痛みをもっている方でも、持っている「痛みの要素」は人それぞれです。

早めに相談

痛みを慢性化させない為にも、あなたの痛みを正しく把握し、早期に適切な治療を行うことが大切です。
無理な我慢は禁物です。悩みを抱えたままにせず、まずはお近くの「整形外科」「ペインクリニック」「かかりつけ医」などの医療機関を受診し、お医者さんに相談しましょう。

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総監修:
総合東京病院 ペイン緩和センター長 小川 節郎 先生