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痛みのコラム

特集3痛みの豆知識

痛み治療の今と昔

「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」

2001年の大相撲夏場所に優勝した貴乃花関(当時)に、当時の首相であった小泉純一郎氏が表彰式で述べた言葉です(同場所の千秋楽、貴乃花は重傷だったのですが、それをおして出場し、本割りでは武蔵丸に敗れたものの、優勝決定戦で勝ち、優勝を飾りました。)。

この言葉に象徴されるように、日本には「我慢は美徳」とする文化があり、多少の痛みは我慢すべきだと考えられてきました。また、痛みに耐えることは称賛に値するものとされてきました。

かつては医療側においても、痛みの原因となっている疾患を治療し取り除けば、痛みも取れると考え、痛み自体に対する治療は後回しにされがちでもありました。

しかし、近年では、痛みの原因となっている疾患の治療と共に、痛みに対する治療も行われるようにり、「痛みは我慢すべき」という考え方が変わってきました。

アメリカでは、アメリカ連邦議会が2001年からの10年間を「痛みの10年」とする宣言を採択しました。この宣言の背景には、痛みによる社会経済の損失が莫大であったこと、慢性疼痛に対する概念が変わった(単なる急性疼痛の延長ではなく、おこるしくみも異なる疾患である)ことがあります。 この宣言をきっかけとして、アメリカだけでなく世界中で痛みに関する、特に慢性疼痛に関するさまざまな活動(痛みとその治療の調査・研究など)が行われています。

日本でも、特に慢性疼痛に対して、現状の課題や今後の対応について検討するという目的で、2009年12月から厚生労働省が「慢性の痛みに関する検討会」を開催するなど、痛みに対する取り組みが始まりました。

痛みは、我慢するものではありません。 痛みは我慢しないで、早めに医療機関に相談してみましょう。

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総監修:
日本大学総合科学研究所 教授 小川 節郎 先生